独学で簿記2級に受かった話。
はじめに
前回の記事で3級に合格するまでのことをかいたので、今度は3級に合格してから2級に合格するまでをかいてみるよ。
また当たり前のことを偉そうに言ってるけど、誰かの何かになればいいと思う。
3級合格後
私は割と浮かれていた。
やればできるじゃーん、自分凄いじゃーん!とかなり有頂天になっていた。
そして3級について色々な求人情報を探してみる。
すると、「簿記2級の知識がある方優遇」「簿記2級必須」「2級以上の資格を持つもの」
などなどなど、経理の求人はどこもかしこも2級以上の資格が必要ということがかかれている。
えっ、なに、もしかして3級ってそんなに偉くない!?
めっちゃ頑張ったのに!?
と、合格を知ってからものの1時間で自信を失う。
この時3級の合格はゴールではなく、やっとスタートラインに立てたのだ、ということに気がつく。
2級受験を決意
そうなったらもう取るしかないでしょ、2級。
2級はいま試験範囲が改定されていて、平成30年度まで試験範囲がどんどん増えていっている、というのはなんとなく知っていた。
早速書店で教材を一式購入し(道具揃えるのだけは得意)、教科書をパラパラとめくってみる。
なるほど・・・これはなんだか・・・行けそうなきがする・・・?
と、調子に乗って2級の受験を決意した。
とりあえずスケジュールを立てる
3級の時と同様、スケジュールを立てる。
この時2017年7月上旬、次の試験まで5ヶ月近くあった。
インプットとアウトプット、試験対策の3工程に分けて、考える。
ざっくりインプットに1ヶ月半、アウトプットに1ヶ月半、残りは試験対策、というふうに割り振った。
3級の範囲に比べると随分駆け足な気もするけれど、とりあえずそんな感じで考えた。
新たな敵、工業簿記
2級の範囲から「工業簿記」というものが追加される。
3級で学んできたものは「商業簿記」という商店や企業でのお金のやり取りの記録に関する知識。
一方「工業簿記」というのは商品を製造するのにかかる原価計算についての知識である。
今まで学んできた商業簿記の知識を引きずったまま、工業簿記をやると、まるで理解できなかった。
特に私は文系側の人間なので、公式やグラフなどを見るとめまいがする。
エックスイコール・・・え?なにそれ?レベルである。
とりあえずの挫折
なんどやっても工業簿記がわからない。
顔面蒼白。
商業簿記は今までの延長線上で、どんどんわかっていく反面、工業簿記は全く進まなかった。
それも相まってものすごく凹んだ。
なんでわからないんだろう・・・
簿記の解説サイトや、合格体験記などを読んでいても、
「最初は全くわからなかったけど、ある日突然理解できるようになりました!」
「工業簿記は全体を把握することが大切です!」
「計算問題みたいなもんなんで、ある程度覚えてしまえば得点源になります!」
などと書いてあるばかりで、ちっとも参考にならない(すみません)。
なにその!!能力の目覚め!!意味わかんない!!フォースなの!?
振り上げた拳を降ろすところが見つからないまま、数週間が経つ。
半ばやっつけ
商業簿記は概ねスケジュール通りに進んでいたが、工業簿記は全然間に合っていなかった。
インプットに当てていた時間があっという間に過ぎ、もはや商業簿記だけでなんとか受かってしまおうかと思っていた。
商業簿記は試験問題レベルの問題でも解けるようになっている一方、工業簿記は教科書に載っている練習問題も危うい、そんな次元だった。
急がば回れ
2級の工業簿記の教科書には「CVP分析」という項目が大抵最後に載っている。
CVP分析というのは、利益と販売数量、コストの関係について分析すること(適当)。
この辺りでウエーってなった人は簿記向いてないからあんまり気にしないでほしい。
私もそうだった。
いわゆる「エックスイコール」のやつ。
どんなに頑張って遠回りしても一次方程式の問題を解かざるをえない。
一次方程式・・・?あ、中1の数学の問題じゃん・・・!
早速書店に行き、「7日間でマスター!中学数学!」みたいなドリルを買う。
最初の数ページだけやってCVP分析の問題を解き直す。
おお・・・わかる・・・!わかるぞ・・・!!
突然CVP分析の分野だけ得意になったのか、工業簿記に対しての苦手意識が薄れていった。
徐々に埋まる溝
工業簿記の教科書を後ろから逆行する、というよくわからない勉強方法で徐々に工業簿記を克服していった。
商業簿記の速度はそのままに、工業簿記が少しづつ追いつく、という形になっていった。
なんやかんやで遠回りしすぎていたのか、試験まであと1ヶ月を切っていた。
大急ぎで試験対策をし始める。
またしても買ったりもらったりして、15回分の試験問題が集まった。
これをどんどん繰り返してやっていく。
また、某専門学校の無料模試と、公開模試も参加した。
試験日当日
試験会場は、少し離れた高校の教室だった。
今ではドラマや映画でしか見れないあの机と椅子に座って、ちょっとテンション上がりつつ、試験を受けた。
試験官の「はじめ」の合図で試験問題を開く。
1問目、仕訳問題。
・・・・は?・・・・なにこれ??
簿記を知らない人にどんな問題が出たのかわかりやすく説明すると、
「右の反対の逆はどちらか答えなさい。なお、解答には東西南北を使用して答えること。また、左は西とすること。」
みたいな問題の100倍面倒な問題が出題された(個人の意見です)。
( ಠ_ಠ)????
試験開始3分でお酒が飲みたくなった(ヤケ酒)。
思いっきり出鼻をくじかれ、めちゃくちゃテンションだだ下がりな状態で、残り2~5問を解く。
完全に諦めモード、残り時間30分の時点で退室した。
試験結果
案の定不合格だった。
ああ、やっぱりな、と思いながら後日送られてきた成績票を見ると、
1問→4点
2問→20点
3問→14点
4問→16点
5問→12点
合計→66点
・・・66点!?
あと仕訳1問あってたら合格だったじゃん!!!
えええええ、何かの採点ミスでしょこれ!!(すみません)
どうせならついで合格させてよ!!(しません)
と、思ってた以上に高得点だった上に微妙に不合格だったので、よく分からない気持ちに。
え、次の試験も頑張れっていうの・・・?
諦めさせてはくれないの・・・?
次の試験まで
またしてもスケジュールを立てた。
・12月
年末はなんだかんだ忙しいので月初めにある程度済ませておく。
とりあえず工業簿記の復習、商業簿記の仕訳問題の練習。
・1月~2月
試験対策。
どんなひねられた問題が出されてもいいようにいろんな問題を繰り返し解く。
復習と基礎練習
よくよく考えたら、工業簿記にはまだまだ突貫工事な部分がいくつもあった。
教科書をざっと読み直し、苦手な部分は問題集に戻ってやり直す。
するとだんだん、「工業簿記の一連の流れ」というものがつかめるようになった。
この問題は、製品製造から販売に至るまでの、どこの部分にいるのかが、なんとなくわかるようになってきた。
おお!私にも!フォースの力が!(ありません)
工業簿記の復習と並行して、商業簿記の仕訳問題を解く、どんどん解く。
再び試験対策
あとはもう試験対策をガンガン解いていく。
時間を計り、試験1回分の問題をどれくらいの時間で解けるようになるかを把握していく。
この頃は1日に平均2回分の試験問題を解いていた。
徐々に正解率が上がり、点数も上がっていく。
無料模試でも公開模試でも、合格圏内の点数を取れるようになっていた。
2度目の試験当日
今回の会場は、山手線の内側にある大きな大学のキャンパスだった。
私が通っていたド田舎のオンボロ大学とは大違いで、ピカピカのお手洗いに、ピカピカの教室、ちょっと眩しかった。
試験官の「はじめ」の合図で問題用紙を開く。
おお・・・以外と・・・優しい・・・?
3問目の連結会計の精算表以外は比較的簡単な問題な気がした。
ケアレスミスや、回答用紙の書き間違いなどがないか、半ば脅迫的に見直しをした。
今回は試験時間2時間全てを使い、最後まで試験会場にいた。
回答速報で自己採点をしてみると、とりあえず合格圏内にはいたが、やはり不安が残る。
合否速報までが長い
試験は2月25日だったが、私の地区では回答速報が3月15日からだった。
長い、長すぎる。
やることがない上に、かといってなにもしないわけにもいかないし・・・
勉強をしないことで、どんどん忘れていくことが少し怖かった。
また、万が一不合格だった場合のために、次回の試験から追加される新論点の予習だけはしておいた。
ついに来た合否速報
待ちに待った3月15日。
合否照会は11時から。
10時過ぎごろから仕事の合間に照会ページを開き、スタンバイしていた。
11時を待ちきれずに10時半頃、試しに合否照会をしてみた。
完全にエラーで弾かれると思い切っていた。
!?
あれっ!?出てる!??
間抜けな声を上げてしまった。しかも受かってるし。
不意を突かれて、全く実感がわかなかった。
しかし、方々に合格の連絡をしていくうちに、思わず安堵のため息をついてしまった。
長かった・・・ここまで本当に長かった・・・
そしてこれから
2級に受かった。受かってしまった。
かといってこれでご飯食べていくわけでもないし、まあ暇つぶしで始めたことだし・・・
となると1級やってみようか、となるわけだけど。
とりあえず教材は買っておく(道具揃えるのだけは得意)。